この記事は、前回公開した記事を、子どもでも読める形で書き直したものです。
ウルトラマンシリーズの物語を手がかりに、
「なぜ国や組織は、ときにウソをつくのか」
ということを、いっしょに考えてみましょう。
■今回のテーマ
今回取り上げるのは、ウルトラセブン「史上最大の侵略(後編)」です。
このお話は、ただ宇宙人と戦うだけの物語ではありません。
ここで描かれているのは、
「国際的なウソ」
です。
国どうしの争いでは、ときに、
・時間をかせぐため・相手を油断させるため・戦争を避けるため
などの理由から、本当のことを全部は言わない場合があります。
つまり国際政治では、
「何を相手に見せるのか」
も重要になるのである。
『史上最大の侵略』は、そうした問題を考えさせてくれる作品です。
■ストーリー
ゴース星人は地球侵略を開始し、大量の円盤群で世界を攻撃します。
圧倒的な戦力の前に、地球防衛軍は追い込まれていきます。
そんな中、地球防衛軍長官はゴース星人に対して、
「現在、各国代表による国際会議を開いている」
と説明します。
しかし実際には、そのような本格的国際会議は存在していませんでした。
これは、地球側が防衛準備を進めるための時間稼ぎだったのである。
つまり長官は、ただ話し合いをしていたのではありません。
ゴース星人を油断させ、その間に地球を守る準備を進めようとしていたのです。
やがてウルトラ警備隊とセブンは、ゴース星人との最後の戦いへ挑みます。
そして地球は、侵略の危機を乗り越えていくのでした。
■現実世界の話
このようなことは、現実の世界でも見ることができます。
国どうしの対立では、ときに本当の考えや準備をすべて相手へ明かさない場合があります。
たとえば冷戦時代、アメリカとソ連は、核戦争を避けるため、水面下でさまざまな駆け引きを行っていました。
また外交交渉そのものが、時間稼ぎや戦力準備のために利用される場合もあります。
つまり国際政治では、単純な「正直な話し合い」だけではなく、
「何を見せて、何を隠すのか」
も重要になるのである。
■この話の意味
『史上最大の侵略』からは、
「国際的なウソ」
を見ることができます。
この回で重要なのは、地球防衛軍長官のウソが、自分のためのものではない点にあります。
それは、地球を守るための時間を作るためのウソでした。
つまり描かれているのは、単なる宇宙人との戦いではありません。
それは、
「言葉や交渉もまた、戦争の一部になる場合がある」
という問題なのである。
『史上最大の侵略』は、戦争では武器だけではなく、交渉や駆け引きも重要になることを描いた作品として見ることもできるのでしょう。