指導者たちの好戦性
戦争は自然現象ではない。
それは人間が引き起こす問題である。
それは人間が引き起こす問題である。
イギリスの軍事評論家 リデル・ハートは、戦争を研究すればするほど、その原因は政治的・経済的な条件だけではなく、より根本的には心理的なものであると感じるようになったと述べている。
また、アメリカ合衆国の歴史家 J・ステジンジャーも、結局のところ戦争は人間によって始められるのであり、こと開戦の局面においては、実際の事例が指導者の個性の重要性を示していると指摘している。
また、アメリカ合衆国の歴史家 J・ステジンジャーも、結局のところ戦争は人間によって始められるのであり、こと開戦の局面においては、実際の事例が指導者の個性の重要性を示していると指摘している。
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この観点から『ウルトラセブン』を見てみると、地球防衛軍の指導者たちの対応にも、明らかな違いが見られる。
彼らは同じ組織に属し、同じ危機に直面していても、その判断は一様ではない。
そこには、指導者ごとの性格や価値観、すなわち「好戦性」の差が現れている。
彼らは同じ組織に属し、同じ危機に直面していても、その判断は一様ではない。
そこには、指導者ごとの性格や価値観、すなわち「好戦性」の差が現れている。
マナベ参謀は、危機に対してきわめて強硬な対応をとる傾向がある。
クール星人に大勢の人間を人質に取られ、全面降伏を迫られた際、彼は人質の犠牲を度外視してでもミサイル攻撃を行うべきだと主張した。
また、地球が宇宙空間都市ペガッサ市と衝突する危機に陥ったときには、ただちにペガッサ市の爆破を決断している。
さらに、怪電磁波を放つ小惑星の建物の中にダンたちが閉じ込められた際には、このまま電磁波が止まらないのであれば、ダンたちの帰還を待たずに小惑星を破壊するという決定を下した。
これらの判断に共通しているのは、犠牲の発生を承知のうえで、全体の安全確保を優先する姿勢である。危機を前にすると、ためらいなく武力行使や破壊的手段を選択するタイプの指導者である。
クール星人に大勢の人間を人質に取られ、全面降伏を迫られた際、彼は人質の犠牲を度外視してでもミサイル攻撃を行うべきだと主張した。
また、地球が宇宙空間都市ペガッサ市と衝突する危機に陥ったときには、ただちにペガッサ市の爆破を決断している。
さらに、怪電磁波を放つ小惑星の建物の中にダンたちが閉じ込められた際には、このまま電磁波が止まらないのであれば、ダンたちの帰還を待たずに小惑星を破壊するという決定を下した。
これらの判断に共通しているのは、犠牲の発生を承知のうえで、全体の安全確保を優先する姿勢である。危機を前にすると、ためらいなく武力行使や破壊的手段を選択するタイプの指導者である。
これに対してタケナカ参謀は、より慎重で抑制的な態度を示す。
クール星人の攻勢に際しては、人質を見殺しにすることはできないと主張した。
また、超兵器の実験によってギエロン星爆破事件が起きた際には、その開発計画の中止を進言しようと決意する。
さらに、ガッツ星人との戦いでダンが行方不明になった際には、もし捕らえられているのなら攻撃はできないと発言している。
そして、ゴース星人が各国の主要都市を破壊し、全面降伏を要求してきたときには、長官に対し降伏受諾を進言している。
彼の判断に共通しているのは、人命への配慮と、武力行使に対する強い抑制意識である。
勝利や組織防衛のためにすべてを切り捨てるのではなく、犠牲を最小限に抑えようとする姿勢であり、場合によっては降伏という選択さえ現実的に考慮する。
クール星人の攻勢に際しては、人質を見殺しにすることはできないと主張した。
また、超兵器の実験によってギエロン星爆破事件が起きた際には、その開発計画の中止を進言しようと決意する。
さらに、ガッツ星人との戦いでダンが行方不明になった際には、もし捕らえられているのなら攻撃はできないと発言している。
そして、ゴース星人が各国の主要都市を破壊し、全面降伏を要求してきたときには、長官に対し降伏受諾を進言している。
彼の判断に共通しているのは、人命への配慮と、武力行使に対する強い抑制意識である。
勝利や組織防衛のためにすべてを切り捨てるのではなく、犠牲を最小限に抑えようとする姿勢であり、場合によっては降伏という選択さえ現実的に考慮する。
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以上は、『ウルトラセブン』に見られる地球防衛軍指導部の対応である。
ここで重要なのは、同じ制度・同じ組織の中にあっても、判断が一つではないという点である。
戦争や武力行使の決定は、制度や国益だけで機械的に決まるのではない。
最終的には、その場にいる指導者が、何を守るべきものと考え、どこまでの犠牲を許容するかによって左右される。
ここで重要なのは、同じ制度・同じ組織の中にあっても、判断が一つではないという点である。
戦争や武力行使の決定は、制度や国益だけで機械的に決まるのではない。
最終的には、その場にいる指導者が、何を守るべきものと考え、どこまでの犠牲を許容するかによって左右される。
ドラマでの実際の描写を確認したい方は、以下の『ウルトラセブン』各話をご覧ください。
第1話「姿なき挑戦者」
第6話「ダーク・ゾーン」
第26話「超兵器R1号」
第32話「散歩する惑星」
第40話「セブン暗殺計画 後編」
第49話「史上最大の侵略 後編」
第1話「姿なき挑戦者」
第6話「ダーク・ゾーン」
第26話「超兵器R1号」
第32話「散歩する惑星」
第40話「セブン暗殺計画 後編」
第49話「史上最大の侵略 後編」
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この構造は、フィクションの中だけのものではない。現実の戦争においても、同じ国家の内部で判断が分かれ、最終的に特定の指導者の決断が結果を左右している。
たとえば、イラク戦争において、アメリカ政府内では開戦をめぐって判断が分かれていた。
ジョージ・W・ブッシュらは「脅威は先に排除すべきである」として開戦を決断したが、コリン・パウエルらは国際的正当性や戦後の混乱を懸念し、慎重な立場をとっていた。
同じ政府、同じ情報のもとであっても、判断は一つではなかったのである。
ジョージ・W・ブッシュらは「脅威は先に排除すべきである」として開戦を決断したが、コリン・パウエルらは国際的正当性や戦後の混乱を懸念し、慎重な立場をとっていた。
同じ政府、同じ情報のもとであっても、判断は一つではなかったのである。
また、ロシアのウクライナ侵攻においても同様である。
公開された会議では一部の高官が慎重な姿勢を見せていたにもかかわらず、最終的にはウラジーミル・プーチンが開戦を決断した。
公開された会議では一部の高官が慎重な姿勢を見せていたにもかかわらず、最終的にはウラジーミル・プーチンが開戦を決断した。
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同じ組織の中には、常に複数の判断が存在している。
武力行使を選ぶ道と、それを抑えようとする道である。
そしてどちらが選ばれるかは、制度でも国益でもなく、その場にいる指導者の性格によって決まる。
武力行使を選ぶ道と、それを抑えようとする道である。
そしてどちらが選ばれるかは、制度でも国益でもなく、その場にいる指導者の性格によって決まる。
戦争は国家の自動反応ではない。
それは、常に人間が選び取る行為なのである。
それは、常に人間が選び取る行為なのである。