■今回取り上げる話
今回取り上げるのは、ウルトラマン「オイルSOS」である。
これまで見てきたように、国家や集団はしばしば、
・生存
・安全保障
・文明の維持
といった利益を守るために行動する。
その中でも、国家間対立の大きな原因となりやすいものの一つが、
「経済的利益」
である。
国家や集団は、
・資源
・市場
・貿易路
などを確保するために行動する場合がある。
特に資源は、国家の産業や社会を支える重要な基盤であり、その確保をめぐって対立が発生する場合も少なくない。
現実世界においても、石油や鉱物資源をめぐる争いは、しばしば国際政治上の大きな問題となってきた。
『オイルSOS』からは、そうした問題を連想させる部分を見ることができる。
■今回のテーマ
経済的利益をめぐる対立を考えたとき、特に重要となるのが「資源」である。
資源には、
・社会や産業を支えるもの
・経済的利益そのものを生み出すもの
の両方が存在している。
たとえば現実世界においても、
【社会や産業を支える資源をめぐる対立】
・湾岸戦争(石油)
・第一次石油危機
・南シナ海領有権問題(海上交通路・海洋資源)
【経済的利益を生み出す資源をめぐる対立】
・ダイヤモンド紛争(ダイヤモンド資源)
・タラ戦争(漁業資源)
・ゴールドラッシュ期の金鉱争奪
などが存在している。
石油や鉄鉱石のように、国家や社会を維持するために不可欠な資源もあれば、金や宝石のように大きな利益を生み出す資源も存在している。
そして、こうした問題は怪獣作品においても描かれている。
『ウルトラQ』や『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』には、資源と結びついた怪獣や宇宙人がしばしば登場している。
【社会や産業を支える資源】
怪獣・宇宙人 争奪された資源
パゴス ウラン
ガボラ ウラン
ペスター 石油
シャプレー星人 ウルトニウム
バンダ星人
これらは、エネルギーや工業、社会インフラなどを支える資源と結びついている。
石油や鉄、ウランのような資源は、社会や産業を維持するうえで重要な意味を持っており、現実世界においても国家間対立の原因となる場合が存在している。
【経済的利益を生み出す資源】
怪獣・宇宙人 争奪された資源
ゴルドン
ガマクジラ 真珠
これらは、社会や産業の維持そのものというよりも、高い経済的価値を持つ資源と結びついている。
金や真珠のような資源は、大きな利益を生むため、現実世界においても争奪対象となる場合がある。
このように、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』には、さまざまな資源をめぐる対立が描かれているのである。
■ストーリー
ある日、石油タンカーが謎の怪獣によって襲撃される事件が発生する。
その怪獣はペスターと呼ばれ、大量の石油を吸収して活動していた。
ペスターは石油コンビナートなどを襲撃し、各地に被害を与えていく。
科学特捜隊は調査と攻撃を行うが、ペスターは強力な能力を持っていた。
そして最後は、ウルトラマンとの戦いへと発展していく。
この作品で重要なのは、ペスターが単に暴れている怪獣ではなく、
「石油という資源」
と強く結びついている点である。
石油は、現代社会において極めて重要なエネルギー資源である。
自動車、工場、発電、輸送など、多くの産業は石油を前提として成り立っている。
つまり、ペスターが襲っているのは、単なる施設ではなく、
「社会そのものを支える基盤」
とも言えるのである。
■この話の意味
こうして考えると、「オイルSOS」が描いているものも見えてくる。
もちろん、この作品は基本的には、
「石油を食べる怪獣」
との戦いを描いたエピソードである。
しかしその一方で、
「社会を支える資源とは何か」
「資源をめぐって、なぜ対立が発生するのか」
「文明は何によって支えられているのか」
という問題を連想させる部分も存在している。
石油が不足すれば、社会や産業は大きな影響を受ける。
だからこそ、人類は資源を求め、時に対立を発生させるのである。
『ウルトラマン』や『ウルトラQ』には、単なる怪獣退治だけではなく、資源をめぐる対立という問題を感じさせる作品も存在しているのである。
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