この記事は、前日に公開した記事を、子どもでも読める形で書き直したものです。
ウルトラセブン の物語を手がかりに、
「どうして戦争は大きくなってしまうのか」
「なぜ相手を信用できなくなるのか」
ということを、いっしょに考えてみましょう。

■今回取り上げる話

今回取り上げるのは、ウルトラセブン の「蒸発都市」です。
国どうしや集団どうしの争いは、
・自分たちを守るため
・安全を守るため
に起こることがあります。
しかし時には、
「自分たちを守ろうとした行動」
そのものが、逆に争いを大きくしてしまう場合もあります。
つまり、
「守るための行動」
が、
「攻撃しようとしている」
ように見えてしまうことがあるのです。
このお話には、そんな問題を考えさせる部分があります。

■今回のテーマ

このお話に出てくる宇宙人たちは、一時的に地球へ居住区を作ろうとしていました。
彼らは、自分たちの安全を守るために行動していたとも考えられます。
しかし地球側から見ると、その行動は危険な侵略に見えました。
つまり、
「自分を守ろうとする行動」
が、
「相手への脅威」
になってしまったのです。
こうした問題は、現実の世界でもよく起こります。
国どうしが、
「相手に攻撃されるかもしれない」
と不安になり、お互いに警戒を強めた結果、戦争へ近づいてしまうことがあるのです。

■ストーリー

ある夜、パトロール中だったダンとソガが姿を消してしまいます。
さらに翌朝、事件現場近くのビル街そのものが蒸発してしまいました。
これは、宇宙からやって来た宇宙人たちが、地球上に居住区を作っていたためでした。
宇宙人たちは、一時的に宇宙の危険地帯を避けるため、地球へ滞在しようとしていたのです。
ダンとソガは、人質にされていました。
宇宙人たちは、
「居住区へ近づかなければ人質は返す」
と言います。
しかし、アンヌたちは居住区へ侵入してしまいます。
すると宇宙人たちは怒り、街への攻撃を始めました。

■なぜ争いが大きくなったのか

では、なぜ話し合いで解決できなかったのでしょうか。
ここで大事なのは、
「相手を信用できなかった」
ということです。
地球側は、
「本当に人質を返してくれるのか」
と不安だったのかもしれません。
そのため、危険を承知で居住区へ入りました。
一方、宇宙人側も、
「地球人は約束を守らない」
と思った可能性があります。
その結果、攻撃を始めてしまいました。
つまり双方とも、
「相手が危険かもしれない」
と考えていたのです。
そして、その不信感が争いを大きくしたのではないかと思われます。

■違う存在どうしの難しさ

この問題の背景には、
「生まれ育った星が違う」
ということもあったと思われます。
生まれた場所が違えば、
・考え方
・文化
・生活のしかた
なども違っている可能性があります。
現実の世界でも、
「相手が何を考えているのかわからない」
という不安が、対立につながることがあります。
そして、その不安から、
「先に行動しなければ危ない」
と考えてしまう場合もあるのです。

■現実世界の話

こうした問題は、現実の世界でも見られます。
国は、自分たちを守るために、
・軍隊を強くする
・武器を増やす
・防衛を固める
ことがあります。
しかし、その行動は相手から見ると、
「攻撃の準備」
に見える場合があります。
すると相手も不安になり、さらに軍備を強化します。
こうして、お互いに警戒し合い、争いが大きくなってしまうことがあるのです。

■この話の意味

「蒸発都市」は、もちろん、
「街を消す宇宙人と戦う話」
として楽しめる作品です。
でもその一方で、
「なぜ戦争は大きくなってしまうのか」
「どうして相手を信用できなくなるのか」
という問題も描いているように見えます。
宇宙人たちは、自分たちを守ろうとしていました。
しかし、その行動は地球側には危険なものに見えました。
そして地球側の行動も、宇宙人側には敵対行動に見えていたのです。
『蒸発都市』は、
戦争は、強い悪意だけではなく、
不信感や恐怖からも大きくなっていく
ということを考えさせてくれる作品なのかもしれません。
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