■今回取り上げる話
今回取り上げるのは、ウルトラマン 「科特隊宇宙へ」である。
この回は、単なる宇宙人再侵略回ではない。
ここで描かれているのは、
「戦争の全体化」
である。
戦争には、限定された軍事行動として行われるものもあれば、国家や民族の総力を投入して行われるものも存在する。
一般に前者を、
「制限戦争」
後者を、
「全体戦争」
と呼ぶ。
『バルタン星人(二代目)』からは、そうした問題を見ることができる。
■今回のテーマ
戦争学者 C・ラーチェ は、戦争の全体化について、
・戦争技術の発展
・民族主義の高揚
・民族主義の高揚
などが大きな要因になったと論じている。
つまり戦争は、単なる軍隊同士の戦いではなく、
「民族や国家全体を巻き込む戦い」
へ変化していく場合があるのである。
また20世紀以降、戦争は大量生産と大量破壊を伴う総力戦へと変化していった。
そこでは、兵士だけではなく、
・工場
・科学技術
・経済
・国民意識
・科学技術
・経済
・国民意識
など、国家そのものが戦争へ動員されるようになった。
そして、こうした問題はウルトラマンにも描かれている。
■ストーリー
人類初の金星ロケット「おおとり」が打ち上げられる。
しかしその最中、バルタン星人が地球防衛軍へ通信を送ってくる。
前回地球侵略に失敗したバルタン星人の残党は、R惑星を拠点として、再び地球侵略を計画していたのである。
科特隊が「おおとり」の救助へ向かう一方、バルタン星人の別働隊が、大規模に地球侵略を開始する。
今回の侵略では、前回のような少数潜入ではなく、大規模戦力投入が行われている。
つまりバルタン星人は、前回侵略の失敗を受け、より大規模な戦争へ移行していたのである。
そこには、前回多くの同胞を失ったことによる、地球人やウルトラマンへの強い敵意も感じられる。
やがてウルトラマンとの戦いの末、バルタン星人の再侵略は阻止されるのであった。
■現実世界の話
このような問題は、現実世界の戦争史でも見ることができる。
特に第一次世界大戦や第二次世界大戦では、国家総力戦が行われた。
そこでは、兵士だけではなく、
・工場
・科学技術
・経済
・国民生活
・科学技術
・経済
・国民生活
など、国家全体が戦争へ動員されていった。
また、敗戦や被害経験が、民族的憎悪や報復感情を強め、さらなる総力戦へ繋がる場合も存在した。
つまり戦争は、局地的軍事行動から、
「民族全体を巻き込む総力戦」
へ拡大していく場合があるのである。
■この話の意味
『バルタン星人(二代目)』からは、
「戦争の全体化」
を見ることができる。
この回で重要なのは、バルタン星人が、前回のような少数侵略ではなく、大規模戦力による再侵略を行っている点にある。
そこには、前回侵略失敗による、地球人やウルトラマンへの憎悪も感じられる。
つまり描かれているのは、単なる宇宙人再登場ではない。
それは、
「民族的対立が拡大し、総力戦へ発展していく構造」
なのである。