■今回取り上げる話

今回取り上げるのは、ウルトラセブン 「狙われた街」である。
この回は、単なる宇宙人侵略回ではない。
ここで描かれているのは、
「内部対立を誘発し、社会を弱体化させる戦略」
である。
戦争では、必ずしも軍隊同士の正面衝突だけが行われるわけではない。
時には、
・情報操作
・心理戦
・世論誘導
・社会分断
などによって、相手社会そのものを不安定化させようとする場合がある。
『狙われた街』からは、そうした問題を見ることができる。

■今回のテーマ

戦争とは、単なる軍隊同士の正面衝突だけではない。
時には、
・情報操作
・心理戦
・世論誘導
・社会分断
などによって、相手社会そのものを不安定化させようとする場合もある。
アメリカの外交戦略家 ジョージ・ケナン は、
宣伝・心理戦・情報工作などによって、相手社会を内部から弱体化させる
「政治戦」
の重要性を論じた。
つまり国家間対立とは、軍事侵攻だけではなく、
「相手社会を内部から崩していく戦い」
でもあるのである。
そして、こうした問題はウルトラセブンにも描かれている。

■ストーリー

地球では、メトロン星人が人間社会へ潜伏していた。
彼らは、タバコへ赤い結晶体を混入させることで、人間同士が互いに殺し合う状況を作り出そうとしていた。
つまりメトロン星人は、自ら大規模侵略を行うのではなく、人類社会内部から対立と混乱を発生させようとしていたのである。
やがてダンは、メトロン星人のアジトへ辿り着く。
メトロン星人は、
「人類はやがて互いに殺し合う」
と語る。
そして最後には、セブンとの対決の末、メトロン星人の陰謀は阻止されるのであった。

■現実世界の話

このような問題は、現実世界の国際政治でも見ることができる。
冷戦期には、アメリカとソ連が、宣伝・情報工作・心理戦などを通じて、相手社会内部を不安定化させようとした。
また現代でも、SNSやフェイクニュースを利用し、社会内部の対立や不信感を拡大させようとする問題が議論されている。
特に近年では、ロシアによるSNS・情報工作疑惑などをめぐり、世論操作や社会分断の問題が大きく注目された。
つまり現代戦では、軍事侵攻だけではなく、
「相手社会を内部から分断し、弱体化させる」
戦略が重要になる場合もあるのである。

■この話の意味

『狙われた街』からは、
「内部対立を誘発し、社会を弱体化させる戦略」
を見ることができる。
この回で重要なのは、メトロン星人が、人類を直接武力征服しようとしなかった点にある。
彼らは、人間社会へ浸透し、人類同士を争わせることで、社会そのものを崩壊させようとしていた。
つまり描かれているのは、単なる宇宙人侵略ではない。
それは、
「内部対立を誘発し、相手社会を自壊へ導く戦略」
なのである。
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