■今回取り上げるテーマ
戦争では、多くの人が傷つきます。
家族や仲間を失う人もいます。
すると、人々の中には、
「やられたままでは終われない」
「相手へ仕返しをしなければならない」
「相手へ仕返しをしなければならない」
と考える人が出てくる場合があります。
しかし、その仕返しによって、今度は相手側にも被害が出ます。
すると相手側もまた、
「こちらもやり返さなければならない」
と考えるようになります。
こうして、
-
報復
-
仕返し
-
新しい戦い
がくり返され、敵対関係が長く続いてしまう場合があるのです。
ウルトラシリーズにおけるバルタン星人との戦いにも、そうした部分を見ることができます。
■バルタン星人はなぜ何度も現れるのか
ウルトラシリーズには、多くの侵略宇宙人が登場します。
しかしその中でも、バルタン星人は何度も地球へ現れることで知られています。
もちろん、単に地球侵略をあきらめていなかった、と考えることもできます。
しかし別の見方をすれば、最初の戦いで多くの仲間を失ったことが、強い敵意につながった、と考えることもできるかもしれません。
バルタン星人にとって地球は、
「侵略に失敗した星」
であるだけではなく、
「仲間を失った星」
でもあった可能性があるのです。
■なぜ報復は続いてしまうのか
人は、自分たちが大きな被害を受けると、相手を強く憎む場合があります。
そして、
「やり返さなければならない」
と思うことがあります。
しかし、報復によって相手にも被害が出れば、今度は相手側が同じように考えるようになります。
すると、
-
攻撃
-
報復
-
再報復
が続き、戦争が終わりにくくなってしまうのです。
■現実世界の話
このような問題は、現実世界でも見ることができます。
たとえばインドとパキスタンは、「カシミール」という地域をめぐって長く対立してきました。
そこで戦争が起きると、多くの人が傷つき、家族や友人を失う人も出ます。
すると、
「相手を許せない」
「やり返さなければならない」
「やり返さなければならない」
と考える人が現れます。
しかし、やり返せば、今度は相手側にも被害が出ます。
すると相手側もまた、
「こちらも報復しなければならない」
と考えるようになります。
こうして、
-
報復
-
再報復
-
新たな戦い
が繰り返され、敵対関係が長く続いてしまう場合があるのです。
イスラエルとパレスチナの対立にも、同じような部分を見ることができます。
戦争は、一度終わればそれで終わり、というわけではありません。
過去の戦争が、次の戦争につながってしまう場合もあるのです。
■この話の意味
バルタン星人との戦いも、単なる
「悪い宇宙人との戦い」
としてだけではなく、
「一度生まれた敵意は、簡単には消えない」
という問題として見ることもできます。
最初の戦いで生まれた被害や憎しみが、その後の敵対を続けさせているのだとすれば、そこには、
「戦争は終わっても、敵意は残る」
という問題を見ることができるのかもしれません。
もっとも、ウルトラシリーズでは、その後、
「どうすれば敵対を終わらせられるのか」
という問題も描かれていくことになります。