■今回取り上げる話
今回取り上げるのは、ウルトラセブン「第四惑星の悪夢」である。
これまで見てきたように、国家や集団は、
・生存
・安全保障
・資源確保
など、さまざまな利益のために行動する。
しかし戦争や侵略には、
「他者を支配する」
という目的が存在する場合もある。
国家や集団は、ときに他国や他民族を、自分たちの秩序のもとへ組み込もうとする。
『第四惑星の悪夢』からは、そうした問題を考えることができる。
■今回のテーマ
国家や集団は、ときに他の国家や民族を支配しようとすることがある。
こうした支配は、
・政治的支配
・経済的支配
・文化的支配
など、さまざまな形で行われる。
一般に、このような他国支配の動きを、
「帝国主義」
と呼ぶ。
19世紀から20世紀初頭にかけて、欧米列強はアフリカやアジア、中近東などへ進出し、多くの地域を植民地として支配した。
また、単に軍隊で占領するだけではなく、
・自国の文化
・言語
・価値観
・教育
などを広め、自分たちの秩序へ相手を組み込もうとする場合もあった。
つまり支配とは、単に土地を奪うことだけではなく、
「相手を自分たちの秩序に従わせること」
でもあるのである。
そして、こうした問題はウルトラシリーズにも登場している。
■ストーリー
ダンとソガは、宇宙ロケット「スコーピオン号」の事故によって、第四惑星へ不時着する。
そこではロボットが社会を支配し、人間たちは完全に管理されていた。
街の機能、警察、社会システムなど、あらゆるものがコンピューターによって統制されていたのである。
さらにロボットたちは、人間をエネルギー源として利用していた。
そして彼らは、地球そのものを植民地化しようとしていたのである。
この作品で特徴的なのは、
「単なる侵略」
ではなく、
「管理と支配」
が強く描かれている点である。
つまり第四惑星のロボットたちは、地球を征服するだけではなく、
「自分たちの秩序によって支配しよう」
としていたのである。
■他にも存在する「支配」
ウルトラシリーズに登場する支配は、軍事侵略だけではない。
時には、
「地球人を自分たちと同じ存在へ変えてしまう」
という形で描かれることもある。
『緑の恐怖』では、ワイアール星人が地球人を植物人間へ変え、自分たちへ同化させようとしていた。
また、『恐怖の超猿人』では、ゴーロン星人が人類を猿人間へ変えようとしていた。
彼らは、単に地球を攻撃していたのではない。
地球人そのものを変化させ、自分たちの秩序へ組み込もうとしていたのである。
もし完全に同化してしまえば、地球人は「支配されている」と感じなくなる。
つまり同化とは、
「支配のさらに進んだ形」
とも考えられるのである。
■現実世界の話
このような問題は、現実世界の国際政治においても見ることができる。
帝国主義時代には、多くの国が植民地支配を行った。
そこでは、
・軍事力による支配
・経済的支配
・文化や言語の押し付け
・教育を通じた同化政策
などが行われていた。
つまり支配とは、単に土地を奪うことではなく、
「相手を自分たちの秩序へ組み込むこと」
でもあったのである。
政治学者 E・H・カーは、力の強い国は、自分たちに有利な秩序を「平和」と呼び、それを他国へ押し付ける場合があると指摘した。
こうして考えると、ウルトラセブンに登場する宇宙人たちも、単なる侵略者ではなく、
「自分たちの秩序によって地球を支配しようとした存在」
として見ることができるのである。
■この話の意味
『第四惑星の悪夢』は、もちろん、
「ウルトラセブンがロボットと戦う話」
として楽しめる作品である。
しかしその一方で、
「支配とは何か」
「自由とは何か」
「自分たちの秩序を押し付けるとはどういうことか」
という問題を考えさせる部分も存在している。
また、『緑の恐怖』や『恐怖の超猿人』では、
「相手を自分たちと同じ存在へ変える」
という形で、さらに進んだ支配の姿も描かれている。
『ウルトラセブン』には、単なる宇宙人侵略ではなく、支配や同化という問題を感じさせる作品も存在しているのである。
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